2017年08月11日

フィリピンにド沈没してみた5

フィリピン人女性の美しさは特筆するに値する。スペイン、中国、米国、日本と様々な人種の往来を経て混血が進んでいるからだ。エキゾチックな愛らしい顔に手脚がスラッと長く骨盤の張ったメリハリのある身体。男達は釘付けになってしまう。少し前に日本で大人気だったアイドルタレントのリアディゾンもフランス人とフィリピン人のハーフだ。

東南アジアの中にあってフィリピンには独特のラテン気質があり人々は底抜けに明るい。女性達も非常に情熱的で我が儘でプライドが高い。その反面、誰にでもフランクに接する可愛らしい面も備えている。最初は観光でやってきた外国人達も彼女達にハマってしまい気が付くと長期滞在してしまう。日本人も例外ではない。ん?誰のことだ?(笑)

そのせいなのだろうか。フィリピンでは様々な女性絡みの犯罪が報告されている。いつの時代も事件は男と女の噂、とは良く言ったものである。美人局(つつもたせ)や結婚詐欺など古典的なものから全く未知の手法まで、長年に渡り滞在したマニラで私自身が直接見聞きした事件を紹介したいと思う。当時の被害者、関係者に迷惑のかからぬよう多少変更させて頂いた部分があるのだが予めご了承頂きたい。

友人のD氏(29歳、男性)は休暇を利用して日本から私に会いに来てくれた。私は日中仕事があるためD氏は夜まで一人で過ごすことになった。フィリピンが初めてだったD氏に私は幾つかの安全と思われる場所を紹介した。私の帰宅までその辺りをぶらついて時間を潰すように依頼した。D氏はそのうちの一つ、マニラ湾にほど近い「ハリソンプラザ」へ行くことにした。庶民的な店が並ぶショッピングモールである。

コピーDVDショップや携帯電話の改造屋などそれまで見たことが無い怪しげな店の数々に彼は興奮した。全てが珍しく面白い。モールは広くエアコンの効きがあまり良くないため歩き回るとすぐに喉の渇きを覚えた。モール内のスーパーで水を買いベンチで休憩していると若くて可愛らしい女性二人組が話かけてきた。”Your shoes are so cool!! Where did you find them?”(貴方の靴、超カッコいいわね!!どこで見つけたの??)。英語が得意でないD氏は困惑していると「アナター、ニホンジンデスカ?ソノクツ、トテモ、カッコイイネ!」と片言の日本語が飛び出した。

「ワタシ、ニホン、イッタコトアルヨ。ナツカシーネ。モット、ニホンノコト、シリタイヨー。」女性二人組はD氏を挟むように彼の両隣に腰をおろした。そして「ウワー、アナター、トケイモ、カッコイイネー。ファッショニスタヨ、アナタ!」とD氏の左腕に両手を絡めて手首の辺りを触ってきた。D氏は流石に狼狽えたのだが、可愛らしい女性達に密着されて悪い気はしなかった。

「ネエ、アナター、ナマエワー?イッショニ、バーデノムノム、コレカラドデースカ?」人生初の逆ナンパである。異国の地でエキゾチックな女性達にモテモテなD氏はこのおかしな状況を都合の良いように解釈し始めた。俺の顔ってフィリピン人女性達には男前に受け取られるのかな…?思考が壊れ始めている。どうせ夜まで暇だし、こんな可愛らしい二人だから悪いようにはされないだろう。ちょっと飲み代集られたって物価が低いから知れてるし。それにこんな美人達とだったら少し高くたって良いや。D氏は飲みに行く誘いを承諾してしまった。

彼女達の案内でタクシーに乗り込みバーに向かった。するとバーとは似ても似つかない民家の並ぶ一帯で車は止まった。「バー、マダアイテナイヨー、ワタシノウチデノムノムシマショ♪」と女性達。D氏は言われるがままに彼女達のアパートへ入っていった。階段を4階まで昇ると小さな一室に案内された。少々不安な気持ちになってきたが好奇心の方が勝り中へと入っていった。部屋は6畳ほどでベッドが一台置かれていた。他には扇風機と冷蔵庫、テレビが一台ずつ置かれていた。これが若い女性の部屋なのだろうか?貧しいから部屋の装飾などにお金がかけられないのだろうか。D氏はそこが彼女達の部屋だと信じ切って疑いもしなかった。

冷蔵庫からビールを取り出すと女性達はグラスに注ぎ始めた。ベッドの上に3人で座り乾杯した。しかし全く冷えていなかった。「ヌルいなあ」とD氏が漏らすと、一人の女性が”Oh, I will get some ice cubes for you!”と言って出かけてしまった。D氏はもう一人の女性と部屋に二人きりである。するとその女性がテレビのスイッチを入れMTVにチャンネルを合わせると音楽を大音量で流し始めた。「ワタシ、ニホンデ、ダンサーシテタ。オドリ、スゴイヨー!」と言うや否やベッドの上でクネクネと踊り始めたのだ。

D氏は面喰ったがフィリピン人女性のラテン気質とはこんなものかとすっかり魅了されてしまった。すると女性はセクシーなポーズを取りながら一枚ずつ服を脱ぎ始めた。D氏は流石に慌てたが突然のこの状況にどうして良いかわからず成す術もなくただ唖然として座り込んだままでいた。やがて女性は下着だけの姿になった。そしてカーテンを閉めるとゆっくりとD氏の服を脱がせ始めたのだ。

こ、これは一体?! 女性はD氏のシャツを剥ぎ取るとベッドの下へ荒々しく投げ捨てた。そしてベルトに手をかけるとズボンを脱しにかかった。あ、まずい! D氏はズボンを脱がされまいと手で押えたのだが、女性は構わずD氏の上に跨り馬乗りになった。そして女性の手がD氏の局部を弄り始めた。こうなってしまうともう抵抗など出来ない。D氏は思い切って成り行きに任せて見ることにした。

女性はズボンを脱がすと先ほどと同じようにベッドの下へと放り投げた。大音量の音楽が流れる中で女性はD氏にキスし始めた。激しく絡み合う二人。D氏は夢見心地になった。なんてこった、フィリピンに来てこんな展開になるなんて…。今までの人生で女性にモテたことなど一度もなかったが、俺にも運が向いて来たかもしれない。そんな風に思いながらD氏はこれから起こるであろうことを想像して頭がいっぱいになっていた。やがて女性はテレビを消すと裸になりベッドの中へと潜りこんでいった。

D氏は無我夢中でベッドの中へと同じように潜りこんでいった。すると女性が苦渋に満ちた表情を見せて訴えた。「イタイ!」驚くD氏。「ワタシ、オナカイタイヨ…」うずくまる女性。そこへもう一人の女性が買い物から帰ってきた。扉を開けるとD氏に向かって大声で叫んだ。”What?! Hey, you! What are you doing?!” 慌てふためくD氏。女性はなおも大声で叫び続けた。”Help! Help!” これはまずいことになってしまった。D氏は慌てて服を拾うと部屋の外へ飛び出し階段を駆け下りていった。道路へ出るとタクシーをつかまえて自分のホテルへと逃げ出していった。

ちょうどその頃、私は昼食を終えて午後の作業に取り掛かっている最中だった。携帯電話が鳴った。声の主はD氏が宿泊しているホテルのマネージャーだった。「〇〇ホテルの者ですが…。貴方のご友人とおっしゃる方がタクシー代を払えずホテルの前でドライバーと揉めているのです。もしお知り合いの方でしたらお話して頂けませんでしょうか?」私は訳がわからず電話を持ったまま立ち尽くしていた。するとD氏の慌てた声が聞こえた。「ごめん、有り金全部盗まれちゃったんだよ!ちょっと助けてくれないか?!」。

上司に事情を話すと私はD氏のホテルへと向かった。ホテルの玄関でタクシードライバーに運賃と少しのチップを渡すとD氏を連れて彼の部屋へと入っていった。D氏はなかなか事情を話そうとしなかったのだが、少しずつ自分に起こったことについて記憶を辿りながら話し始めた。モールに行ったこと、女性にあいアパートまで行ったこと、そのうちの一人と交わりそうになったこと、そしてそこから逃げてきたこと。

私はD氏が落ち着いたのを見計らって職場へと戻った。遅れた仕事をこなしながら同僚達にD氏の話をした。すると皆が一斉に笑い始めた。「わははは、そりゃあ、典型的な詐欺の手口ですぜ。最初から最後まで作戦どおりですよ。そのアパートにはきっと誰も住んでませんぜ。友達が女と交わってる間にベッドの下で待ってた他の仲間が服から金を全部抜き取ったんですよ。で、作業が終わったタイミングでもう一人の女に携帯で合図して部屋に戻らせて友達が慌てるように大声で叫んだんですよ。」

なんとも巧妙なハニートラップである。絶妙なチームワークによる完璧な作戦だ。もし自分が同じ目に遭遇したらどうしたであろうか。美女達の誘いを断ることが出来たであろうか。自分も男だけに被害者にならないとは言い切れない。フィリピンでは典型的な手口なのかもしれないが、初めて仕掛けられた者にとっては全く展開が予想出来ない。気を付けなければ明日は我が身である。

ちなみにD氏だが被害額はおよそ10万円であった。大金である。それでも「あんな可愛い人と楽しいこと出来たんだから、お金が無くなったのは痛いけどそれはそれで良いかなとも思う」とのコメントを残して日本へ帰って行った。まったく、馬鹿に付ける薬は無い…。こんな奴がいるからハニートラップは無くならないのだ。きっとどこかでまた新たな罠がしかけられ、気を緩めた旅行者が餌食になるのである。

<続く>
ラベル:フィリピン
posted by ランボルギーニ・タコラ at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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