2017年08月01日

OFW

フィリピンでは海外就労者からの送金額が国家予算の11〜12%を占めます。年間約250億ドルに達するその内訳は、家政婦(メイド)など陸上就労者からの送金が190億ドル、船員など海上就労者からが60億ドル。送金元は米、サウジアラビア、UAE、シンガポール、英、日本、カナダ、香港で、これら8ヶ国・地域が全体の約8割です。ですので、その地域に行けばフィリピン人が沢山いるってことですね。ハワイなんかファーストフードやレストラン、スーパーの裏方はフィリピン人が殆どでした。あの独特のヘンテコな発音の英語を聞いてて気が付きました。でこの送金額の伸びが鈍化しているという記事が最近の日経新聞に掲載されていました。この原因と今後の動向を考えてみたいと思います。

まず成長鈍化の理由として私は既に米シェールガス革命の影響が出始めていると考えます。産油国での産油量制限にはOPECに加えてロシアまでもが口を出すという異例の事態となっています。需要が減っている中でどの国も少しでも多くオイルマネーを稼ぎたい為、減産合意に至っていません。この状態は長く続かず何れ産油国間での過当競争が始まりオイルダンピングが始まると思います。過去、潤沢な資金に恵まれてきた産油国は外国人を多数雇い入れ単純労働や簡易的なバックオフィスを担わせてきました。しかし今後利益が減る中でコストセービングを余儀なくされるはずで、まずは人件費削減が挙げられることになります。とすると産油国のフィリピン人は他国へ流れることになります。

次に最も送金額が多いアメリカでの仕事ですが、エネルギーコストが下がれば物価が下がります。それにつられて人件費も下がります。政治家の政策としてここぞとばかりに雇用統計を引き出してくると思います。失業率が大幅に下がった、とアピールするはずです。この勢いは加速して単純労働に従事する外国人排斥傾向が強まると思います。ここでもフィリピン人は行き場を失うことになります。そして帰国を余儀なくされる訳です。

しかし、フィリピン国内では景気上昇に従って国内での収入が増加傾向にあります。また、BPO=Business Process Outsourcingと呼ばれる海外への業務委託が増加しています。特にアメリカをはじめとする英語圏の国々からフィリピンへの業務移管が盛んに行われています。その為、今後OFW=Overseas Filipino Workersは家政婦と海運業従事者を除いてフィリピン国内へ戻ることになるのではないかと思います。或いはシェールガス革命による新しいワールパワーバランスに組み込まれて、これまでとは違う国へと流れていくのかもしれません。

何れにしても外国投資を呼び込めないフィリピンのような第三世界の国々では全就業人口を国内で抱え込めるだけの雇用がありません。新たな雇用創出がない限り一部の人達は国外へと出て行かざるを得ません。しかし産油国と米国の二大市場を失いつつある彼等は今後どこへと向かうのでしょうか。これから先2020年までは本当に目が離せません。

※写真はドバイの街並みです

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ラベル:フィリピン
posted by ランボルギーニ・タコラ at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする