2017年07月25日

外灘の旧金融街

黄浦江沿いに建ち並ぶ旧金融街は上海を象徴的に表す観光名所で外灘(ワイタン)と呼ばれています。東インド会社のアヘン貿易。その違法な取引で稼いだブラックマネーをロンダリングする為に作られた銀行の集積地です。その中の一つに1955年までチャータード銀行上海支店が入っていた外灘十八号(ワイタンスーパーハオ)というビルがあります。このビルの竣工は1923年でした。パーマー&ターナー事務所が設計した新古典主義の建築スタイルの建物で、今ではカルチェなどの高級店が入っています。

私は産業革命以降の近代〜現代史が好きで、一度この金融街を歩いてみたいと思っていました。外灘十八號に着くと直ぐに時代を感じさせる幅の広い階段を昇って行きました。もし出来るなら屋上から上海の街並みを眺めてみたいと思ったのです。船の往来に20世紀初頭の上海を思い浮かべながら、写真を撮りたいと興奮していました。屋上に辿り着くと扉があり、その前に美しい中国人女性が立っていました。「まだ開いてないわよ。17時過ぎに来るといいわ。」と彼女は言いました。屋上には何があるのかと尋ねると、「Rougeよ、後で来れば判るわ。」と言って扉の奥へと消えていってしまいました。私は出直すことにしてホテルまでの道を不思議な気持ちを携えながら戻って行きました。

暫く寝込んだ後、気がつくと外はすっかり暗くなっていました。ホテルを出ると南京東路は煌びやかなネオンに彩られ怪しく輝いていました。沢山の人通りを掻い潜って私はRougeへと向かいました。ビルの階段を昇りきるとそこには真っ赤なライトに染められたバーがありました。中にはカウンターがあり、白人達がカクテルを手に談笑していました。想像外の展開に驚きつつも、私は喉の渇きを潤す為にバーテンダーにリコメンドカクテルを頼みました。「あんた日本人だろ?だからこれを作ったよ。」と言いながら彼が手渡してきたのは「ワサビマティーニ」と呼ばれる創作カクテルでした。

カウンターを離れバルコニーへ進んでいくと、魔都上海の夜景が眼前に広がっていました。たなびく五星紅旗を見上げながら栄枯盛衰の歴史を幾重にもなぞって来た黄浦江に乾杯しました。思いがけずこんな飛び抜けた場所に来てしまい戸惑っていましたが、近代上海に集まった商人達も私と同じように大都会の空気を謳歌していたのだろうかと思うと嬉しくも滑稽な気分に満たされました。人々を魅了して止まない上海。絶世の上海美女との出逢いはこの後、この夜のことでした。

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ラベル:中国
posted by ランボルギーニ・タコラ at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする