2015年09月15日

海外で暮らすということ

海外で働くことについてよく相談を受ける。明確にやりたい事が決まっていて、細かい部分でどこにも情報が無いという理由で尋ねてくる人には出来る限り答えるようにしている。逆に本当に聞きたくて質問して来てると思えないような人には全く返信しない。そんなものググれば判るだろ、と思うからだ。

相談の中にローカル採用の実態についての質問が多い。提示されている条件で何処までの生活が出来るのか不安だというものだ。しかし、これはとても答えにくい。質問者がどの程度の暮らしを望んでいるか分からないからだ。こういう事はやってみなければ分からない。一つだけ言えることは、条件は良いに越したことは無いということだ。

ただ、条件が期待ほど良くなくとも海外に暮らす事で受けられる恩恵というものもある。バリに住むとある日本人女性はダイビングが大好きで、一年中日本よりも安価で潜れる環境は何物にも変え難いと言っていた。またオランダに渡った日本人女性は将来日本で花屋を開店させる為に花市場で様々なことを吸収しながら働いている。目的がはっきりしているので日々の充実度は高いはずだ。

海外で暮らしたい、という目的だけで仕事を探す人もいる。ASEANの発展途上国ではローカル社員の給与は月数万円程度だ。日系企業のローカル採用だと日本人であることのアドバンテージから10〜20万円ほどの給与レベルである事が多い。しかしこの日本人だからという条件が曲者で、言い換えれば日本人なら誰でも良いということなので責任のある仕事は任されない。また待遇もあまり良くならない。やり甲斐のない仕事ほどつまらないものはない。それでもその国のことが好きでたまらないというのであれば、ただ暮らすだけでもそれは有意義なのであろう。

ただ海外に触れたいと言うのであれば、ツアーコンダクター、パイロットやCAなど、日本を起点とした仕事に就いたほうが良いと思う。住む、となるとそれなりの覚悟なりビジョンが必要だと思う。海外の方が研究が進んでいるとか、日本よりずっと待遇が良いとか、移住の為の必然性が無いと数年で後悔しながら帰国するのは目に見えている。

日本は世界中の人々から憧れをもって見られる国だ。日本で働けたらなぁという声は頻繁に耳に入ってくる。成熟した先進国、物が豊富にあり、様々な文化を謳歌できる社会。東南アジアでは行く先々で、何故わざわざこの国に来たのですか?と質問されたものだ。その日本を離れてまで、追い求める物があるのか?これから海外に出ようとしている人は自問自答してよく考えてみた方が良いだろう。

冒頭の件、私が相談者によく言うのは取り敢えず行って見てみたらどうか?ということ。旅行をしてみたら良いと思う。ただ観光をするのではなく目的をもって調べながら歩くと一週間もあればかなりの事が分かる。あとは感覚だ。ここなら自分に合いそうか、好きになれそうか。期限を決めて移住して、ダメなら帰国するというのも良いかもしれない。とにかく、漠然と何となく憧れだけで実行に移すのは良くない。何事にも舞台裏はある。

CATVの番組の一つに、Euronewsと言うのがあり欧州を中心に世界のニュースを流している。その中で、nocommentという枠があり今現在世界中で起こっていることを何のアナウンスもなしにただ流している。そこでよくシリア難民の国境越えの様子が映し出されるのだが、見ていて本当に偲びなくなる。故郷を捨て、国を捨てて、鞄一つで他の国へ渡ると言うのはどういう気持ちなんだろうか。日本でも、海外でも、好きな所に行ける我々日本人はどれだけ幸福なんだろうと感じる今日この頃だ。

Euronews nocomment
タグ:日本
posted by ランボルギーニ・タコラ at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする